大会長挨拶

ご挨拶

第30回東北アルコール関連問題学会宮城大会を、2018年10月13日(土)はサテライト講演会、そして14日(日)は学術大会の2日間にわたり開催させていただきます。

仙台での開催は7年ぶりになり、前回は東日本震災の年で、混乱した状況の中でも皆様のご協力をいただき開催できました。しかしながら、被災地に住むひとりとして、過去のこととするにはまだまだ時間が必要です。

さて今回の宮城大会は、学会としては第1回ですが、「研究会」としては東北6県持ち回りで開催され、今回でちょうど5巡することになります。前身である東北アルコール関連問題研究会(以下「東北アル研」)は、第10回日本アルコール関連問題研究会(現「学会」)の松島開催を機に、翌年から開催されました。発会当初の日本アルコール関連問題研究会は、日中のプログラムでは、関係者自身の悩みや困難と感じたことなどの話題提供があり、夜間集会ではさらに議論を深め、ときに明け方までおよぶことも多くありました。また、日本のアルコール医療の創始期を担われた諸先生方と直接接し、教えや励ましをいただくことができる場でもありました。私たちのような、地域で孤軍奮闘を余儀なくされていた関係者にとり、貴重な“共感と癒しの場”を兼ねた自助グループでした。同時に“ハレ”の世界でもあった気がします。

東北アル研は、その雰囲気を東北の関係者との間でも味わいたいという目的で始められました。“温泉にひたりながらアルコール医療を語り合う”。個人的には、飲酒問題が多発しながらも、アルコール医療が軽視されている東北という地域で、今日まで仕事を続けられたのは、この研究会のお蔭といっても過言ではありません。これから始まる東北アルコール関連問題学会では、学術的であることはもちろんのこと、東北アル研の伝統である“当事者性”も大切にしたいと考えます。

今回の大会テーマは「どうする!?東北の飲酒問題」としました。一方的に、「どうするのよ、こんなに飲酒問題が深刻なのに・・・」と不安を煽るのではなく、「どうしましょうかね」と共に考えることを主題にしました。副題をつけるなら、“更なる共感の輪を広げるために”といったところでしょうか。アルコール健康障害対策基本法をきっかけに、より多くの方々が飲酒問題やアディクション問題に関心を寄せることを期待したいと思います。この基本法をどう育てるかは、私たちの手にかかっているのですから。

講演として、信田さよこ先生には「アディクションアプローチの転換期」と題し、樋口進日本アルコール関連問題学会長には基調講演として「これからの依存症・アディクション治療の展望」を、そして成瀬暢也先生には教育講演「アルコール依存症治療革命」をお願いしました。アルコールやアディクション医療が大きく変化している現在、時宜にかなったお話が聴けそうです。また、分科会では東北の地域性に根ざしたテーマを設けました。基本法についても、ASKの今成知美先生から現状報告をして頂きます。いずれの分科会でも活発な議論を期待します。東北地方の医療関係者や行政関係者のみならず、当事者の皆様方のご参加をこころよりお待ち申し上げます。

謹白

 

2018年4月吉日

第30回東北アルコール関連問題学会 宮城大会
大会長 石川 達
医療法人東北会 東北会病院 院長